車両保険について
1 千葉の水害における車両の水没
先日の千葉での水害のため、多数の車両が水没し、路上に放置されたとの報道がありました。
被害に遭った車両の修理・買替、撤去費用が問題となりますが、水没は自然災害であるため、事故と異なり、事故の相手方に賠償請求することができません。
しかし、車両保険に加入していたのであれば、車両保険やレッカー費用特約などにより上記の各費用をまかなってもらうことができます。
もっとも、車両保険は、人身傷害保険や弁護士費用特約などと比べ、保険料が割高であることから、加入している人は多くはないようです。
しかし、車両保険に加入することで、以下のメリットを得ることができます。
2 物損の補償を確実に受けることができること
自損事故や水害のような自然災害による事故であるため、他人からは賠償してもらうことができない場合や、事故の相手方が無資力のため、相手方からは修理費などを賠償してもらえない場合でも、車両保険により、修理費などの支払を受けることができます。
また、事故の相手方に賠償する資力があっても、事故の態様や過失割合について争いがあり、示談が難航するような場合には、車両保険から支払を受けることで、物損について早期の解決を図ることができます。
3 相手方からの賠償額よりも、車両保険からの支払のほうが多い場合があること
双方に過失がある事故の場合、相手方からの賠償額は、過失相殺後の金額(過失割合により減額された金額)にとどまります。
減額により賠償されない分は、被害者が工面する必要があります。
これに対し、車両保険から支払われる金額は、被害者の過失の有無にかかわらず、本件契約に基づく保険金全額が支払われます。
被害者の過失割合が大きい場合には、車両保険からの支払が被害者に対する補償のために重要な役割を果たします。
また、相手方からの賠償額は、修理費と、事故当時の被害車両の価格を比較し、低い方の金額が支払われるにとどまります。
例えば、修理費が100万円、車両の価格が50万円である場合は、相手方からの賠償額は、最大でも車両価格の50万円にとどまります。
これに対し、車両保険の場合は、保険契約の内容によっては、車両価格より高い修理費や、新車に買い替えるための費用を補償してくれることがあります。
車両保険に加入することで、物損に対し、相手方からの賠償と車両保険からの補償ののいずれか有利な方法を選ぶことができます。
また、相手方からの賠償額よりも、車両保険から支払われる金額のほうが高いことが多いです。
4 無過失特約について
車両保険の中には、追突事故のように被害者に過失がないときに、車両保険を使用しても保険料の値上がりがないとの特約が設けられているものがあります。
5 おわりに
車両保険のみならず、保険契約を適切に使用することで、事故による損害を有利に回復できることがあります。
専門家である弁護士にご相談ください。



