示談について

カテゴリ: 交通事故

1 はじめに
 示談とは、双方の合意に基づき紛争を解決することを意味します。
 また、解決に至るまでの交渉(やりとり)も含めて「示談」といわれることがあります。
  
2 示談のメリットとデメリット
 示談のメリットは、解決に至るまでの費用と時間を節約することができることです。
 実際のところ、紛争の多くは示談により解決されていることが多いのですが、これは、裁判に比べると、明らかに、解決までの時間と費用を削減することおができるためです。
 これに対し、示談のデメリットは、双方が合意しない限り示談も成立しないため、解決することができず、紛争が宙ぶらりんとなってしまうことです。
 このような場合は、示談での解決を諦め、当事者の意向にかかわらず一定の判断がされる裁判にて解決することになります。

 

3 示談の際の留意点
 ⑴ 当然のことですが、話し合いによる解決だからといっても、根拠のない主張や請求に対し、相手方がこれに応じることは通常ありません。
   証拠や根拠について、きちんと確認・検討する必要があります。
   また、逆に、相手方の誤った主張などに応じることがないようにすべきです。


 ⑵ 示談による合意は、双方が話し合いで解決することに利点を見出すことで可能になります。
   交通事故などの賠償請求についての示談であれば、多くの場合、請求する側は、裁判と比べ賠償金支払までの時間や労力が低減されることについて利点を見出すのに対し、賠償する側としては、裁判により命じられることが予想される支払金額よりも低い金額の支払で済むことに利点を見出すのが通常です。
   このため、裁判と全く同じ金額での示談の成立は、通常ありません。


 ⑶ 1年の区切りである12月と、年度の区切りである3月においては、他の時期と比べ、示談が成立しやすいと言われています。
   話し合いの山場がこの時期にさしかかったら、精力的に示談を進めてみるのも一案です。

 

4 おわりに
 話し合いによる解決といっても、根拠に基づいた解決を目指すことに変わりはなく、専門的な知識が必要となることが多いです。
 専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。
 

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