事故に備えて加入しておくべき保険について

カテゴリ: その他

1 はじめに
 毎日多数の交通事故の事件に接していますが、そのほとんどに、強制加入の自動車賠償責任保険と併せ、任意保険が契約されていることが一般的です。
 そして、任意保険には、様々な特約があり、保険料の負担を考えながら、どの特約を契約するか、悩まれている方もいらっしゃるかと思います。
 そこで、日々、交通事故の事件に接する中で、加入しておいたほうがよいと思われる特約は、以下の3つです。

 

2 弁護士費用特約
 この特約を真っ先に挙げると、「弁護士としての営業のためでしょう」と言われてしまうのは覚悟の上ですが、やはり、加入したほうがよい特約と考えます。
 弁護士費用特約は、弁護士に相談したり、相手方に、交通事故による損害に対する賠償を請求する際の費用を補償するためのものですが、この特約がない場合、請求額が少額の場合には、相手からの取得額が弁護士費用に見合わないため、弁護士への依頼を諦めるといった場合が多いのではないかと思います。
 しかし、事件の難しさと、請求金額とは必ずしも一致しません。
 請求額が少額であっても、複雑な事項についての検討が必要であるなどの理由により、被害者ご本人のみでは対処できない事案もあります。
 一例として、以前に扱った事案では、請求額は15万円程度であるにもかかわらず、この金額が妥当な金額であることを示すために、多数の裁判例を調べ、裁判所の判断の傾向を明らかにする必要があるものでしたが、このような作業は、一般の方には難しいのではないかと思います。
 また、弁護士の側としても、弁護士費用特約に基づき受任することにより、一定額の収入が確保できるため、少額の請求事案であっても、受任しやすくなり、結果として、被害者としては、弁護士によるサービスが受けられやすくなるということもあります。
 さらに、事案によっては、事故の調査などにつき、高額な鑑定費用を要する場合がありますが、これについても、弁護士費用特約によりまかなうことができたり、修理費や車両の価格について争いとなった場合に、ご自身の保険会社のスタッフより援助を受けられる(例:相手方の示した被害車両の価格が実際の価格より低額の場合、これに対抗する資料を作成してもらうことなど。)といった利点もあります。
 加入しておくことにより、損をすることはない特約だと思います。

 

3 人身傷害特約
 この特約は、事故により怪我をしたり死亡したりした場合、相手方から賠償を受けるのではなく、ご自身が契約する保険会社より、その全部又は一部が支払われる特約です。
 この特約の利点は、次のとおりです。
 ⑴ 事故の相手方が自賠責保険に加入していない、あるいは自賠責保険への加入だけなので、本来の損害額を賠償してもらうだけの資力が相手方にない場合でも、上記のとおり、自己の保険契約より、賠償金の全部(医療費など)または一部(慰謝料)が支払われますので、相手方が無資力である場合のリスクを回避することができます。
 ⑵ 相手方が任意保険に加入し、賠償金を支払う資力について問題はない場合でも、相手方の保険会社が、治療費の支払を途中で打ち切るなどして、十分な補償が受けられない場愛があります。
   このような場合、ご自身の保険契約から支払を受けることにより、上記の不利益を回避することができます。

 

4 車両保険
 上記2つの特約に比べ、保険料が高めであることと、使用した場合、その後の保険料が高くなることが難点です。
 しかし、多くの交通事故で、過失相殺のために損害の一部しか相手方から支払を受けられないような場合や、修理費よりも車両価格の方が下回ることにより、必要な修理費を相手方より支払ってもらうことができない場合(注)が往々にしてあるところ、車両保険に加入しておけば、必要な修理費を確保できる場合があります。
 また、損害賠償の範囲、例えば修理費の額や車両価格を巡り相手方と合意ができない場合、ご自身の保険会社より支払を受けられるのであれば、上記争いを回避することができます。

 

注: 車両が損傷した場合の賠償の範囲は、修理費と、事故当 時の車両価格を比較して、どちらか安い方を支払えば足りるとされているため、修理費の方が車両価格よりも高い場合には、車両価格分を支払ってもらえるにとどまり、修理費全部を相手方から支払ってもらうことはできません。

 

5 終わりに
 上記の説明を踏まえ、ご自身に必要な保険契約を見直していただければと思います。
 

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